気だるい春の午後
鉛色の空からは霧の様な雨が降り、濡れたアスファルトの匂いが町中に立ち込める
ついでに電車の中はあの何ともいえないすえた臭いでむせ返りそうになる
こんな日は大人しく座学なんて受けていられない
と、午後の授業は丸々エスケープして、ロベルト、五井さん、荻と麻雀を打つことにした
かつて藤原という男をドロップアウトさせたこの遊びに俺はあまりいい印象を持っていない
その為、なんだかんだと口実を付けてできるだけやらないようにしていた
だが今日は事情が違う
何せ俺にとって全く未知のトワイライトゾーン雀荘に行くというのだから
およそ5年ぶりに打つ麻雀は記憶にあるほど苦々しいものではなく
役もルールもさっぱり忘れた身には新鮮な遊びに思えた
今日は純粋に勝負を楽しむ目的で来ているので金銭は絡まない
そのおかげか、65000点という高得点で逃げ切ることが出来た
面白いくらいにドラ、裏ドラが乗った結果だ
2時間半も遊んだのに料金はなんと500円
しかもセルフサービスとはいえドリンクは無料という大盤振る舞い
はっきり言ってゲーセンで暇を潰すよりよっぽどいい
その上この雀荘、通学路の途中にあり、校舎からは歩いて3分という好立地
これがもとでまたずるずるとはまらないように気をつけなければならない