もともと俺には関わりのない話だったが
地下スタジオで撮影されるスタジオドラマの手伝いに駆り出された
と言ってもまあ、またスクリプトシート書きなのだが
スタジオの収録風景の見学という目的もあり、喜んで引き受ける
仕込みの段階で俺は必要ないので、ちょっと遅れての登校
現場の様子を覗き見ると、なんとロケドラマ以上にごたごたしていた
途端に不安になる俺
実は夜勤のバイトがこの後に控えているので、できれば早目に帰りたいのだ
そんな願いも空しく、スケジュールは押しに押しなんと2時間遅れとなる
学科長の娘さんが、子役として特別出演するのだが
すっかり退屈してしまっていた
まあ子供に敬遠される性質の俺には関係ない
あまりに暇なので副調整室の様子なぞをスケッチして過ごした
このスタジオドラマ、常のようにカットごとに撮影して後、編集をするというスタイルを取っていない
4つのカメラを同時に回し、スイッチングによりカットを作っていくと言う構成になっている
日本ではあまりメジャーなスタイルではない
だが勉強にはなった
役者の演技は連続したものなので、繋がりは非常に自然で滑らかなものになるからだ
もちろん、これはスイッチャーの技量にもよる
編集コースでこのドラマの担当になった人間は仕事が少なく、面白みがないだろうな